人生は美味しくなければ、楽しくなくちゃをモットーに、今日のおいしご飯のために安全・安心な食材、美味い料理、それから暮らしまわりの素敵を探しています。
2008年10月

10月26日  今年のりんごは美味しい
りんごは果物の中で一位二位を占めるくらい好きだった。
だったというのは、この2〜3年はほとんど食べなかった。何故かと言えば、りんごが一様に臭ったからである。長く保存したときの籠もった匂いのような、薬の匂いのような、ともかく食べたときにその匂いが鼻から抜けるのだ。青森の弘前大学のりんご博士にも聞いたのだが原因はわからなかった。
ところが今年のりんごはどれを食べてもその匂いがない。それどころか今年の夏のメリハリのあった暑さのせいか、甘くちょっと酸っぱくすごく美味しい。

ジョナゴールド、陸奥(むつ)、王林、陽光、シナノゴールド、サンふじ、千秋、つがる、ふじ、スターキング、秋映(あきばえ)、紅玉などなど、どれもが美味しい。これがりんごだ-という感じ。昨年までのあの匂いは何だったんだろう。

「りんごは医者いらずの果物」と世界中で言われている。それはりんごの栄養成分やフィトケミカルが高血圧予防や疲労回復、抗酸化作用、老化防止効果などなどに有効であることが知られるからである。旬は10月〜12月。
だいぶ昔のことだが、日本にもイギリスのグラーニースミスというりんごが入ってくるとりんご生産者がおののいたことがあった。でも酸味と甘みのバランスは日本のりんごの方がずっと上。杞憂に終わったものだったことがある。外国の人に聞いたって、日本のりんごがずっと美味しいと皆さんが言う。
そしたら何と、中国で日本のりんごが1個2500円で売れているのだと、TVのニュースで言っていた。
美味しさに国境はないのだ。もっと世界中に日本の美味しさをアピールした方がいいと思います。
果物



10月23日  安納芋というさつまいも
子供の頃にはサツマイモやじゃがいもを蒸かしたり焼いたりしてよく食べた記憶がある。栗もそうだった。
でも大人になるにつれてもっと甘い食べ物や横文字のお菓子に手が伸びてゆき、だんだんとそういった食物を食べなくなっていた。
でも今年はもっと食物繊維を多くとるぞと、いろんな野菜をよく食べた。そのかいあってか腸の調子がすこぶるいい。そんなわけで秋の芋類収穫の時期にはトライ アゲインなどと考えていた時に、ラジオから安納芋の話が聞こえてきた。


これは安納芋(皮の色が白っぽいので正確には安納こがね)というさつまいもで種子島の特産。安納芋は種子島の亜熱帯の気候に適し、ここでしか栽培されてないのだとか。とにかく糖度が14〜16ほどもあり、メチャ甘いということなのだそうだ。

さっそく蒸かしてみるとオレンジがかった鮮やかな黄金色になった。一口囓ると確かに甘い。それもねっとりとした甘さだ。サツマイモもジャガイモと同じく、ねっとり系とほっくほく系に分けることができ、これはねっとり系。
寒くなると売りに来る焼き芋はほっくほく系で甘いのが美味しいとされているけれど、あれよりもっとずっと甘い。九里四里うまい十三里なんていうが、この安納こがねは十五里くらいありそう。
このねっとりとした甘さにひかれて、代官山のシェ・ルイではスイートポテトにしているそうだ。それほど甘くて美味しい。
サツマイモは薩摩芋といって鹿児島県産のものが美味しいとされるが、中でも種子島産は上等だと思う。

薩摩芋は食物繊維も多く含むが、カリウムも多い。カリウムは体内の余分な塩分を排出する作用がありミネラルの重要な成分の一つ。たんに甘いだけではなく、人にとって大事な栄養素やミネラル分を多く含む美味しい野菜なのだ。
野菜



10月21日  黄色いトマト
トマトの旬が終わる。
というのは露地栽培のトマトの話で、今ではトマトもハウス栽培が主流で年間を通じてある。けれど、太陽の光と熱を吸収して育った旬(7月〜9月)の露地ものは美味さが格別なのだ。
イタリアでは黄金のりんごといわれ、トマトが赤くなると医者がいらないといわれるほど、体に良い野菜として知られている。そんなこともあって今年もいろんな種類のトマトをたくさん食べた。その最後に北海道産という黄色いトマトをいただいた。

黄寿という品種で、フルーツトマトのような小粒ではなく、中玉のトマトである。外皮だけでなく果肉も黄色い。味も匂いも赤系のトマトに同じ。トマトの収穫時期によるので甘さは一概にはいえないのだが、この黄色のトマトはやや甘みもあり、果肉がむっちりとしていて美味しかった。
ピーマンといえば緑色をおもうが、赤ピーマンもあれば黄色やオレンジそして黒なんていうのもある。トマトもきっとそれと同じように赤や桃色、緑(完熟していて)、プチトマトなら黄色もあるので、中玉もきっといろんな色を作り出したかったのではなかろうかと想像する。それでまずければ消えてしまうが、美味しければカラフルな料理になるのでこの黄寿は人気がでるのでは !!!

ところで日本はトマトをサラダにすることが多いけれど、ヨーロッパなんかはほとんど加熱して食べられる。肉や魚との相性がよく、加熱することで旨みもぐっと増すからだ(日本はピンク系トマトで外国は赤系トマトとトマトの種類が違うのだが)。
トマトはペクチンやカリウムなどを含んでいるので医者いらずの野菜ともいわれるのだが、最近は抗酸化作用に有効とされるフィトケミカル(リコピンやカロテン)にも注目が集まっており、健康食材として大いに食べたい野菜なのだ。
野菜



10月19日  南蛮または赤唐辛子
南蛮はさすがに古いかもしれない。
16世紀にポルトガル人により伝えられたのが最初で、南蛮渡来、西洋人は顔が赤い。で赤唐辛子は南蛮となった。と想像するのですが。少し前までは一味唐辛子や七味唐辛子など称して南蛮といった。
この南蛮、いや赤唐辛子の生が秋になると出回る。
旬のものなのでこんなにあって200円。それを一束買ってきて、乾燥させ一年分の鷹の爪をつくっておく。


カレーを食べに行っても、辛さは+ーゼロ。つまり標準を頼むので、特に辛いものが好きだからというわけでもない。ただ秋の行事といっては大げさだが、一年分の保存スパイスを作るという気分が好きでここ4〜5年ほど続いている。
使うのはパスタのペペロンチーノ、麻婆豆腐、ムッチ(韓国料理であえもののこと)ぐらいだけなので、丁度一年分くらいあるのだ。
赤唐辛子といえばカプサイシンという辛さの成分に魅力あり。体脂肪の分解、胃液の分泌をよくし消化吸収を助けるなどなど若い女性にも人気のスパイスだ。
スパイス



10月17日  じゃがいも いろいろ
初夏から始まる本州の新じゃがに対し、夏の中頃からの新じゃがは北海道産になる。
本州のほとんどは男爵とメークインという品種だが、北海道ではざっと20〜30品種ものジャガイモが栽培されている。
北あかり、レッドムーン・とうや・北海こがね・十勝こがね・キタムラサキ・インカのめざめ・ジャガキッズ・シンシヤ・ベニアカリ・花標津などなど、食べたのはこれくらいだが、品種はまだまだある。

これは手前から時計回りに男爵・北海こがね・北あかり・レッドムーン。

じゃがいもに目覚めたのはその昔ドイツに行ったとき。何でもない普通の居酒屋風のバーでビールとソーセージを頼んだ。付け合わせにじゃがいも。それも半端じゃない量のじゃがいも。期待もしていなかったのだが、一口食べたらそれがすごく美味しかった。日本のものよりもっちりとしていて香りも甘く、どんどん入る。それからどこでもジャガイモの料理を頼んでいたっけ。

「それはじゃがいもの種類によるもの。日本は男爵がほとんどで、食感がホクホクとした粉質。それに対して粘質のじゃがいもがあり、煮込み料理などが多いヨーロッパではこちらの方が好まれるんじゃないの」と教わった。
日本で粘質系のじゃがいもといえばメークインだけという感じだったが、最近はいろんな品種が店頭に並ぶようになったのは嬉しいことだ。上の写真で北あかりと男爵は粉質系で、蒸かし芋にしてバターを落としてたべるとすごく美味しかった。レッドムーンと北海こがねは粘質系。スペイン風オムレツにして食べたのだが、これも美味しかった。やはり北海道産は、気候風土がじゃがいもに適していて美味しいのかも知れない。

ちなみに男爵とは、河田龍吉男爵がイギリスのアイリッシュコブラーという品種を輸入して北海道で栽培させたことに由来するのだそうだ。
野菜



10月15日  農薬の使用
有機リン系殺虫剤メタミドホス、食品の不当表示、事故米の不正転用、メラミン、有機リン系殺虫剤ジクロルボスなどなど食にかかわる問題が次々と起こる。「少量なら食べても健康被害はない」というものから「死に至る」というものまで、事件は頻発している。

ところで農薬は、普通に食べられている農産物でどれくらい使われているのだろうか。
先日、北海道産の玉葱を買った。特別栽培とあり、使った農薬の履歴が書かれた紙が入っていた。
その節減した化学合成農薬の使用状況がこれだ。( )中は使用回数。

殺虫剤・プロチオホス(8)、ECPジクロフェンチオン(1)、フルバリネート(2)、シペルメトリン(1)、アセタミプリド(1)、ペルメトリン(2)、イソキサチオン(1)
殺菌剤・フルアジナム(9)、クレソキシムメチル(6)、オキソリニック酸(6)、チオファネートメチル(3)、プロシミドン(2)、テブコナゾール(2)、マンゼブ(6)、メタラキシル(5)、シモキサニル(1)、ファモキサドン(1)、イプロジオン(1)、イミノクタジン酢酸塩(1)、TPN(1)
除草剤・ペンディメタリン(8)、アイオキシニル(8)、クレトジム(5)、シアナジン(4)
農薬を24種類。

これだけ使っていながら当地比5割減だという。さらに化学肥料も使用は5割減とある。これは農林水産省が認めている農薬と化学肥料の使用が、通常状況より5割減なので「特別栽培」という表示が許される。
つまり普通栽培ならばこの倍の量を使っているということになる。それでも当然のことながら「健康被害がない」という使用範囲なのだ。見ただけでちょっとめまいがしそうでしょう。

ただ以前の、ほぼ一律にこの農薬と化学肥料を使いなさいという指示通りの使用状況に対して、それはおかしいんじゃないのと反発する生産者が増え、現在は農薬の使用量・使用回数は農家ごとに違ってはいる。

自分で選んで食べる普通の農産物でもこれだけの農薬が使われているのに驚く。
偽装や不当表示、あるいは故意による事故なんていう食品には絶対に合いたくないですな。
野菜



10月13日  はじめての岩塩
おみやげに岩塩をいただいた。
岩塩といえば日本ではモンゴルのものが有名だが、これはオーストリア産だそうだ。

塩は海の自然塩が一番いいと言ってきたので、岩塩は知っていたけれど使ったことがなかった。
何千年もかけて徐々に乾燥してできた岩塩層の塩は、結晶過程でそれぞれの成分が分離してしまっているので、海の塩とは成分が違う。そこでほとんどの岩塩は一度溶かして再結晶させるという方法で塩化ナトリウムと他のミネラルのバランスを調整している。
それはともかく、海に囲まれた日本でわざわざ岩塩を使うこともあるまいと軽い気持ちだった。

でも折角いただいたのだから食べてみようと、オックステイルのシチュウを作った。
ソルトミル(塩挽き)がないので、下ろし金でガリッガリッとすりおろすと粉になったり粒になったり少し大きめの塊のまま鍋の中に落ちていく。岩塩でも同じ塩なのだから、使用量も同じくらいだろうとあたりをつけながらガリガリッといれた。
シチューの仕上がりは上々なれど、でも塩が違うとはわからないのが正直なところ。

そこで岩塩だけを嘗めてみると、しょっぱさの後に喉の奥にわずかなにがさが残る。普段使っている自然海塩にはそれがない。そこが違いかな。
ときどき食べに行く人形町の今半で食べるステーキは「岩塩をつけても美味しくいただけますよ」と別皿で出してくれるのだが、そういう味の濃いものに合うのかもしれない。

でもカリカリとペッパーミルでコショウを挽くように、岩塩をソルトミルでガリガリッとやるのは料理の儀式の楽しみかも。
いいデザインのソルトミルを探さなくては。
スパイス



10月11日  十三夜
秋は夕暮れ。
春は曙。夏は夜。についで出てくる秋の言葉だ。
でも夕暮れもいいけれど、すっかり日が落ちてしまった夜も素敵だと言っている。
風の音、虫の音などがかなでる夜はもう言葉がない、と。枕草子が書かれた時代も今も同じである。

近所に和菓子屋さんがあって、「十三夜のだんごあります」とショウウインドーに張り紙が。
9月の十五夜はすっかり忘れてしまっていたので、十三夜について教えていただいた。9月の十五夜は中国から伝わった習慣で、10月の十三夜は、平安時代に貴族達が集まり月を見て、詩歌を詠んだのが始まりなのだそうだ。
十五夜は旧暦の8月15日。旧暦の9月13日の月見なので十三夜というらしい。

だんごを買って帰り、秋の夜長を楽しむ。ちょっと風情でした。
昔は空気が汚くて、その後は街の明かりで空まで明るくて夜空の星なんか見えなかったのに、最近は数えるほどだけれど見ることができる。



10月5日  有機栽培の砂糖を見つけた
南北アメリカの中央にあるキューバは社会主義共和国で、たびたび食糧危機にあったので、どこでも農産物を生産できるところは畑にしていいという法律があるらしい。しかも国が貧しかったので、農薬とか化学肥料などは買えず使えず、当然のことに無農薬・無化学肥料栽培の農産物になるとTVで放送していた。
生産は農家だけではなく、土地があれば誰でものが栽培するので、食糧自給率は日本より高いのだそうだ。
先進国ではビオだ、オーガニックだ、有機栽培だといって作っているというのとは対照的な話である。

オーガニックの砂糖を買ったらパラグアイの製品だった。
南アメリカにあるパラグアイなんかも同じような状況なんだろうか。
それはともかく、この砂糖はものすごくやさしく甘い。上白砂糖やグラニュー糖などの角のある甘さに対して、丸みの甘さとでもいうのか、味がやわらかい。
カナダ産のメープルシロップは5段階に等級が分けられており、1と5では比べものにならないほど違うといわれる。そういう違いが砂糖にもありそうと思わせる。
農薬を使わず化学肥料も与えないで育てると、植物は強く成長する。その強さが本来の美味しさを引き出しているんだと思う。
有機栽培だオーガニックだなんて肩肘張らずにありのままに育つキューバは美味しいかもしれない。
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